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悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、免疫を司る血球の一種の「リンパ球」が、がん(悪性腫瘍)になってしまい発症する病気です。毎年10万人におよそ20人がかかるといわれている、血液がんの中では比較的頻度の多い病気です。

原因の多くは不明ですが、関節リウマチなどの自己免疫疾患及びその治療薬や、ヘリコバクター・ピロリ菌などの感染症が発症に関与することもあります。

症状としては1cm以上の大きさの、硬いゴムボールのような硬さで比較的動きやすいリンパ節の腫れが体のいたるところに発生します(通常痛みはないことが多いです)。首、脇、股などがふれられるところで最初に気づくところになることが多いです。病気が進行すると、38度以上の発熱、ひどい寝汗(シーツなどの寝具をかえなくてはいけないくらいの汗)、半年間で10%50kgのひとなら5kg)を超えるような体重の減少などが生じることもあります。これらの症状は「B症状」といい、早めの治療が推奨されます。

検診の超音波検査やCT検査、胃や腸の内視鏡検査で偶然見つかることもあり、診断には腫れたリンパ節や骨髄の一部を取らせて頂き、顕微鏡で観察する検査(病理診断)が必要です。悪性リンパ腫にはがんの元になるリンパ球の種類に応じて多くの種類(細かくわけると60種類以上)があり、それぞれによく効く抗がん剤の種類が違ったりします。また、種類によっては放射線治療などがよく効く場合もあります。

頻度が多い順にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL、約37%)、濾胞性リンパ腫(FL、約20%)、MALTリンパ腫(約15%)、ホジキンリンパ腫(HL、約5%)となります。人種により頻度はかわります。

悪性リンパ腫の治療はいくつかの抗がん剤を組み合わせて投与するR-CHOP療法やBR療法、ABVd療法などがよく用いられますが、患者さんのご年齢などに合わせてお薬の量を調整することで、外来でも安全に投与することができます。また、新しいお薬も出てきており、年々外来でできる治療の選択肢が増えてきています。

悪性リンパ腫はがんの一種ではありますが、抗がん剤がよく効くものが多く、半数以上の方は抗がん剤治療のみで治癒することが期待できます。治療期間は約半年ほどになりますが、通院のみで治療を完遂される方も少なくないご病気なので、医療スタッフと力を合わせて乗り越えていきましょう。

 

悪性リンパ腫の治療に用いるレジメン

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