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再生不良性貧血

再生不良性貧血は、骨髄にある赤血球、白血球、血小板などの血液細胞のもとになる造血幹細胞(血液の赤ちゃん)が何らかの理由で減少してしまい、赤血球、白血球、血小板が減少してしまう病気です。骨髄異形成症候群などとは異なり、血球自体の機能は正常で、数だけが減ってしまう状態になります。白血病に移行するようなことは極めてまれです。日本国内では毎年約1000人の方がかかると言われているまれなご病気で、厚生労働省の指定難病になっています。治療や状態によっては難病指定がとれて治療をするのに金銭的に有利になることがあります。難病指定の申請は難病指定医による書類の記載が必要です。当院でも対応できます。

症状としては、白血球が減ることによる発熱や咳などの感染症の症状、貧血による動悸・息切れや、血小板が減ることによる鼻血や歯茎からの出血などがあります。原因としてははっきりしないものがほとんどですが、一部のお薬や放射線治療、ウイルス感染や妊娠などが引き金となって発症するケースもあります。20歳前後と70歳前後に発症のピークがあります。

診断のためには骨髄検査で造血幹細胞が減少している(骨髄の造血細胞が脂肪組織に置き換わっている)ことを確認することに加えて、他の血液疾患や膠原病(関節リウマチなど)ではないことを証明するために血液で様々な検査を行う必要があります。また、腰椎のMRIをとり、血液をつくる骨髄が脂肪組織におきかわっていることを確認します。骨髄異形成症候群や発作性夜間血色素尿症などの血液疾患の病初期は、再生不良性貧血とほとんど区別がつかないことがあります。

治療は重症度によって異なり、軽いものであれば定期的な血液検査で様子を見ている間に自然に良くなることもあります。中等度のものではネオーラル®という免疫抑制剤などの内服治療を行います。ネオーラル®で良くならない場合や、重症のものでは入院してサイモグロブリン®というお薬の点滴を受けたり、同種造血幹細胞移植(骨髄移植など)を行ったりすることもあります。それらの治療で効果が不十分な場合には、ロミプレート®やレボレード®という血球、主に血小板を増やすお薬も使うことができます。

当院ではネオーラル®やレボレード®などによる内服治療の他、感染の予防や治療のための抗菌薬投与、貧血や血小板減少時の輸血など、再生不良性貧血の様々な支持療法にも対応しています。 他院で治療後の治療継続、経過観察なども含め、気軽にご相談いただけると幸いです。

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